都会の抱える問題点とは

都会には都会故の問題が存在します。それは地方では実感することができないものもあります。都会に暮らしていると普通のこととして認識してしまいますが、明らかにそれは「問題」として、解消すべきことといえるような問題があるのです。

まずは人口が密集する故の問題というものがあります。ただそこに存在する人が多いため発生する問題というものがあるのです。代表的なものに「住居」の問題です。都会、特に都心部に関していえばその地価は世界的にも高いものになっています、それ故簡単に都心部で暮らすことなどはできないのです。だから都下などのベッドタウンで、主に人は暮らします。ですから慢性的に都会で暮らす人は都下やその他のベッドタウンから都心へ通うことになります。それが通常になってしまうので、慢性的に通勤時、帰宅時にはラッシュが発生することになってしまうのです。そして、多くの企業が都心に事務所を構えているので、朝のベッドタウンから都心部への人の流れ、夜の都心部からベッドタウンへの人の流れが常態化しているのです。電車も道路も混雑します。特に道路が混雑してしまうと、救急車両の通行の妨げになる場合もあります。都心部で、朝にケガや急病を起こしてしまっても、救急病院へ搬送してもらうのが遅れてしまう可能性があるのです。

さらにはそれらの道路を行き交う自動車の台数が多いため、地方に比較して大気汚染が進行しています。それも、軽減されることなく継続的に引き起こされることになります。それらの大気汚染は連日の積み重ねで深刻化します。過去、一時期には「光化学スモッグ警報」という、「今日は大気が有害だ」という警報が出されるほどにまで深刻化したこともあります。空気は循環するものですし、それらの排気ガスがずっとその場に滞留するわけではないのですが、地球環境自体は閉ざされた環境です。汚染された空気は宇宙に廃棄されるわけにもいかず、浄化されるまで地球を巡るのです。それによって引き起こされる環境問題の数々は周知のことと思います。温暖化、それに伴って極地の氷が溶け出し、海面が上昇し、海に沈む国が出てくるのです。「大都市」というのは、そのように存在するだけで地球環境を汚染するものなのです。ひとつひとつはそこに暮らす私たちがきっかけとなって引き起こしているもので、私たちが豊かに暮らせば暮らすほど、環境は汚染されていくということです。

人が集まるというだけでさまざまな弊害があるのですが、良いこともたくさんあります。「都市」であるということは、経済の中心地になり得るということで、ただ人がたくさん住んでいるだけで自然と境外活動が活発化します。そしてともなって雇用の機会も増えるのです。地方では得られないような仕事が、都市部では得られるかもしれないということです。そのようなことを考えると、数々の弊害、障害を乗り越えてでも「都市で暮らす」ということは納得ができることなのではないでしょうか。